その頃わたしは旅行ばかりしていた。独り身の気軽さというか少し貯金をためては海外、
主にヨーロッパに足しげく通っていた。スイスはなかでもお気に入りで、
アジアの国ではとうてい得られない大人の雰囲気の漂う町並みにすっかり魅せられた。
ジュネーブに立ち寄った時だ。国際列車が駅に到着したのはもう日も暮れて暗くなった頃、
地図を頼りに徒歩で駅の近くにあるはずのホテルへ急いだ。
それはごくこじんまりとした一つ星のホテルでヨーロッパの大都市の駅近くでよく見かけるようなホテルだった。
フロントには中年の男が一人で詰めていて、
太い眉のよく上がり下がりする表情の豊かな親切な男だった。
私はチェックインを申し込みクレジットカード 現金化を差し出した。
そのカードを見た男が言った。「すばらしい」「なんてエキゾチックなんだ」その時わたしが差し出したクレジットカード 現金化はデザインがちょっと凝っていてめずらしく和風のなんとなく蒔絵を思わせるような柄だったのだ。
それでもたかだかクレジットカード現金化のデザインでこんなに反応があったのは初めてだった。
太い眉を大仰に上げ下げさせて、男は「東京から来たのか」とか「京都に行ったことがあるか」などと、
親しげに聞いてきた。男はかなり日本に詳しそうな様子だった。
聞けば学生時代の親しい友人に日本人の女性がいたと言う。
この日ホテルは客も少ないらしく、「一番良い部屋が空いている」と言って男はキーを渡してくれた。
長時間列車に揺られて疲れていたが、そのやり取りはわたしの心を少し安らいでくれた。
